研究活動のパフォーマンスを上げるための3つの生活習慣

大層なタイトルの記事であり、おこがましい感じもするのですが、

鬱々と研究に取り組む後輩達を目の当たりにして、

「せっかく能力や環境に恵まれているのに、もったいない!」

という憤りを私はいつも感じています。

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そしてその原因は(研究そのものの難しさや、研究室が抱える個別の問題も一因ではありますが)生活習慣に改善すべき点があり、自身のパフォーマンスを十分引き出せていないことに帰するのだと、私自身の経験から推察しています。

限られた研究室生活を少しでも有意義なものにできるよう、自身の経験から、生活習慣の改善法を紹介します。

徹夜はNG!リズムの良い生活習慣

研究といえば徹夜が当たり前、というイメージは強いと思います。

私自身、一時期は半徹夜で研究室に通ったり、土日も実験スケジュールを組んだりしていました。

ひたすら研究室に籠もる生活は、第二の青春を謳歌しているような気分で楽しかったです。

 

しかしある時、個人的な事情で、平日は19時までに帰宅し、土日はカレンダー通り休む、というスタンスで一定期間過ごすことになりました。

その結果、研究のパフォーマンスが下がったかと言うと、意外にもそんなことはありませんでした

 

半徹夜で実験をしていた頃は、浮かんだアイデアを検証する前に実験に移していました。その結果、実験計画が雑になり、無用な実験や、ナンセンスな検討ばかりしていたのです。

時間に制限が加わることで、効率的・合理的に研究を進めることを重視するようになり、いわゆる生産性が向上する、ということを発見しました。

 

この経験をして以降、なるべく少ない実験量で研究に取り組むよう心掛けています。

研究室から離れる時間が増えると、研究の状況や自分の取り組み方を省みるようになります。

その結果、より良いアイデアを思いついたり、計画を修正したりすることができ、パフォーマンスが上がったと感じています。

 

少し脱線しますが、新しいアイデアを得るために、あえて作業から離れることの重要性は、「がんばらない働き方」という本でも紹介されています。

新しい価値というものは、いつでも「余裕のある頭」から生まれます。

(p.7)

 

研究の分野によって時間の使い方は様々であり、人によってパフォーマンスを発揮できる条件も千差万別なので、一概には言えないのですが、 

ただ闇雲に実験や計算を重ねても、進捗には繋がらないということに注意すべきだ、というのが私のモットーです。

また、研究室で働きすぎた場合、睡眠不足で思考力や注意力が低下するという危険性があります。パフォーマンスが下がるだけでなく、実験や通学時の事故が起きやすくなり、良くないと思います。

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ちなみに、徹夜はNGというのは論文を書く際も同様だと考えています。

論文執筆の際の生活習慣はこちらの記事にまとめています。

bricolage.hateblo.jp

 

寝食を忘れて実験に没頭するのは研究らしくて楽しいのですが、

効率よく最大のアウトプットを出すやり方も身につけておいたほうが、役に立つはずです。

 

休日はリラックス

ポイントは、上述した徹夜はしないという点と近いです。

毎日研究室に通うのではなく、週に1~2日程度は大学から離れて趣味や他の勉強に取り組むことで、

心身ともにリフレッシュできるだけでなく、研究の状況について落ち着いて整理できると思います。

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また、下記の記事によると、取り組んでいることから一旦離れることは「インキュベーション」と呼ばれ、

ひらめきを得るために効果的であることが実験的にも示されているそうです。

www.dhbr.net

 

私の個人的なオススメは、博物館や美術館を巡ることです。

普段目にするものとは異なる刺激を受けることで、大いに気分転換できます。

首都圏の多くの大学では、国立の博物館や美術館とパートナーシップ制度を結んでおり、常設展などを無料で楽しむことができます。

詳しくはこちらの記事でまとめました。

www.driven-by-curiosity.com

また、映画や小説も良い息抜きです。インスピレーションを得られるかもしれません。

www.driven-by-curiosity.com

 

定期的な運動を習慣づけよう

研究に打ち込むと疎かになりがちなのが、日々の運動です。

私自身、高校生までは体育の授業があったので運動不足は気にならなかったのですが、

大学生になって定期的な運動がなくなると、明らかに身体が重くなり、集中力が散漫になりがちになることに気づきました。

このままではまずいと感じ、色々と試した結果、ジムに通って運動を習慣づけてみると、机に向かったときの集中力が大きく上がって驚きました。

 

有酸素運動をしていると、自然と考え事を盛んにするようになり、先述したような研究状況の脳内整理が捗るのを実感します。

休日や、あるいは平日でも研究が行き詰まった時には、ひたすら走ったり泳いだりして、身体を動かすよう心掛けています。

 

脳科学者の茂木先生へのインタビュー記事でも、身体を動かすことによる脳へのメリットが説明されていました。

走ると気分がすっきりするのはなぜ!? 脳科学者 茂木健一郎さん|読むらじる。|NHKラジオ らじる★らじる

血流が増えるから脳が活性化するのかな?などと勝手に想像していたのですが、

この記事によると、記憶の整理など色々行われているのだそうです。ランニングってすごいですね。

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以上、私の個人的な経験に基づいて、より健康的・生産的な研究室生活を送るための生活習慣をまとめました。

リストアップしてみると、研究関係なく至極当然な内容になってしまいましたが、

不摂生になりがちな研究生活を少しでも改善できるよう、参考になれば幸いです。

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