どうやったら効率良く論文執筆を進められるか?
講義のレポート、卒業論文、学術論文、学会発表の予稿等々、研究生活では何かを執筆する機会がとにかく多いです。
自分の研究成果を多くの人々に正しく・分かりやすく・かっこよく発信でき、これまでの努力も報われる…のですが、
論理的に文章を書くのは、とにかくめんどくさく、精神や体力を消耗させます。
しかも実験作業と並行して進めなければいけないのですから、かなりのスケジュール管理スキルが求められます。
よくやってしまうのは、直前に徹夜で一気に書き上げることです。
深夜テンションというのは恐ろしいもので、日中には進まない筆を、一気に走らせることができます。
だがしかし、深夜テンションで書いたものを見返すと、大抵は論理がボロボロ、文章は誤字脱字だらけ、グラフはナンセンスであって、とても読めたものではありません。
結局、修正するのに時間が余計にかかってしまい、全体としては非常に効率が悪い執筆スタイルだと思っています。
もちろん身体への負担も大きい。間違いなく長続きしないやり方です。
プロの作家を参考にしてみた
こんな場合に参考にすべきは、プロの作家達です。
後述でまとめる通り、プロのスタイルは次の2つが特徴的です。
・夜型よりは朝型が多い
・執筆に割く時間は意外と短く、3〜6時間/日
私が博士課程の学生だった頃、学術論文や博士論文を執筆する際に、冗談半分にこのスタイルを試したところ、意外にもフィットすることが分かりました!
文章は一定のクオリティを保ち、かつ翌日に疲れを残しません。
私の場合、朝から執筆を続けると、だいたい4時間前後で疲労感が溜まってきます。
そして、それ以上無理に続けても、文章の質が下がり、かつ翌日に疲れが残るようになるため、長続きしにくくなります。
論文も小説も、脳や身体にかかる負担は近いようです。
プロの作家たちの執筆スタイルは↓の本にまとめられています。
(作家以外にも、研究者の生活スタイルも紹介されていますが、残念ながら研究者達の論文執筆スタイルに関する情報はあまり見かけません)
書き過ぎは厳禁!?
この本についてまとめたこちらのサイトも参考に、作家たちが一日あたりの執筆にかける時間を集計して、分布にしたのがこちらの図↓です。
平均値は5.1時間/日、中央値は4.0時間/日という結果となりました。
毎日7時間以上働いているサラリーマンと比べると、少ない印象を受けますが、
何かを書くというのはそれだけ負担が大きいということなのでしょう。
書きすぎは厳禁。
その日その日で、執筆時間が4時間を超えたら、「もっと書きたい」と感じていたとしても、きっぱりと中断して、残りの時間は思い切って遊び、翌日また再開するスタイルが、私は一番長続きしました。
作業が中途半端でも構いません。むしろ中途半端な方が、翌日再開した際に、作業に取り掛かりやすくなると感じています。
ポモドーロ・テクニックと呼ばれる作業効率化法にも近いスタイルだと思います。
朝型がベター!
プロ作家たちの話に戻りますが、次に、主な執筆時間帯を↓にまとめました。
午前中:起床後~正午まで 昼:正午~16時まで 夕方:16~19時 夜間:19時以降
夜型も一定数いますが、圧倒的に午前中が多いことが分かります。
朝は集中力が高まりやすいというデータもあるらしく、執筆活動に向いているのはやはりこの時間帯だという考えが支持されています。
私の経験上、特に土日に執筆活動を行う場合、昼までにノルマを達成した時の達成感がとても気持ち良いです。
そういう日の午後はとても明るい気持ちで過ごすことができるので、やはり執筆活動は「朝型」「やりすぎない」がオススメです。
おわりに+研究生活についてまとめた関連記事の紹介
話は少し逸れますが、さらに突き詰めていくと、食事や飲み物にも気を使うことで、執筆のリズムを形成しやすくなると感じています。
例えば、朝食に何を食べるか(生野菜が多いほど、集中力が向上すると感じます)、コーヒーをどのタイミングで飲むか、といったことを習慣化することで、
三日坊主になりやすい執筆作業も、継続的に取り組めるようになると思います。
【さいごに 関連記事】
執筆に疲れたら、博物館や美術館を訪れて気分転換するのがおすすめです。
首都圏の多くの大学では、国立の博物館や美術館とパートナーシップ制度を結んでおり、常設展などを無料で楽しむことができます。
詳しくはこちらの記事にまとめました。
論文やレポートを執筆する上で頭に入れておきたい文章作成技術です。
研究生活の質を向上するために心掛けたい生活習慣をまとめました。