【文化が衝突するとき】イタリアの地方部を旅して見つけた、都市にはない魅力

何年も前の話ですが、研究生活の息抜きに、イタリアを縦断して様々な街を巡ったことがあります。

イタリアといったら、ローマやベネチアといった都市部の観光が一般的だと思います。

もちろん、都市部も非常に見どころは多いですが、郊外や農村部には落ち着いた時間が流れており、自然に囲まれた環境と美味しい料理でリラックスできます。

 

また、その国の文化をより濃く体験できるのは、地方部ではないかと私は思います。

グローバリゼーションによって、都市部はどこの国も似たような形になりつつあると感じています。

コロッセオやエッフェル塔のような観光スポットの違いこそあれ、そうではない普通の街並みや雰囲気は似ているなと各国を巡って感じました。

対照的に、地方部に行くとその国らしさが色濃く残っていることを何度も感じます。

「世界標準」が通じにくくなるので、戸惑うことも増えますが、それもまた良い体験だと思います。

ちなみに、各国の「その国らしさ」はリチャード・ルイス著「文化が衝突するとき」に詳しくまとめられています。

多くの国に足を運んできた研究者の著者が、世界各国の価値観や気質を体系的に分類し、その国の人とうまくやっていくためのポイントを紹介しています。

(「○○人は△△だ」とステレオタイプな書き方をされていますが、全員が全員そうだ、と決めつけているわけではないです。本書の冒頭でもその旨断り書きがあります)

食文化、テーブルマナーやビジネスマナーという実用的な内容も、国ごとにとても丁寧に書かれているので、海外旅行前にその国について目を通しておくと役に立つと思います。

日本も1章割いて説明されています。読んでいてニヤニヤが止まりませんでした笑

 

閑話休題。今回の旅行で、イタリア本来の文化や気質に触れ、自然に囲まれ落ち着いた楽しい時間を過ごすことができたので、紹介します。

 

ボローニャ郊外でアグリツーリズモ

ボローニャでは、郊外のRastignanoという町で1泊農園滞在しました。

一通りボローニャ中心部を観光した後に、ボローニャ中央駅からローカル線に15分ほど乗り、Rastignanoという小さな駅に移動します。

東西をなだらかな山に挟まれた小さな町で、山腹にはいくつもの畑や牧場が見えました。

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駅のホームからの光景。

 

今回宿泊した宿 Agriturismo Ben Ti Voglio は、駅から2kmほど山道を登った所にあった。頼めば宿の人が迎えに来てくれたのですが、折角なので散歩がてら歩いて向かいました。

見えてきたのは、日本で言うペンションのような感じの、可愛らしい建物。

 

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滞在した宿と、周辺の景色。

 

オーナーの自宅も兼ねていて、民宿に近い感じでした。

周囲には牧場か森林だけが広がっています。夜になるまで、散歩をしたり風景写真を撮ったりして過ごしました。

食事の写真を取りそこねてしまったのですが、言うまでもなく絶品でした!

非常にカジュアルでリラックスした雰囲気が流れ、心からリフレッシュできました。

 

パレルモ郊外でアグリツーリズモ

パレルモはシチリア島の中で一番大きな都市。

アラブの文化が多く感じられ、イタリアの本土とはかなり雰囲気が異なっています。

そんなパレルモにもアグリツーリズモがあったので、1泊しました。

 

パレルモ中央駅から、同じようにローカル線で30分ほど行くと、海沿いの町Casteldacciaに着きます。

駅から少し歩くと、Agriturismo Villa Cefalàに到着。

ボローニャとは異なり、海沿いのアグリツーリズモでした。

 

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ちょっと歩くと浜辺があります。

 

宿の敷地内にはレモンの木が多く植えられていて、レモン畑のようでした。

部屋は独立したコテージ式で、そのレモン畑の中にあります。

 

食事は、農作物はもちろん、海の幸も豊富で、もちろん美味しかったです。

牡蠣は日本のものと比較してもかなり大きかったのを覚えています。

どれも白ワインに非常に合います。ワイン1本を1度に飲み干したのはこれが初めてでした。笑

 

 

ローマ郊外の街 フラスカーティ

街の名前がそのままついたFrascatiという白ワインを作っています。

ローマ中心部のテルミニ駅から、ローマ近郊鉄道に乗って30分。丘の上にある町です。

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高低差が多く、好きな人にとっては楽しい町なはずです。遠くにはローマの街並みがぼんやりと見えます。

 

この町では宿泊はしませんでしたが、昼間からカフェで白ワインをゆっくりと飲んで、こののどかな町を満喫することができました。

あちこちの売店で、名産の白ワインが安く売られているので、ワイン土産を揃えるにも良いですね。

 

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町中の様子。石畳は歩いていてとても心地良いです。

 

ローマからたった30分で、景色も雰囲気も大きく違う場所で観光できるので、

都市部の滞在に疲れや飽きを感じたら、是非足を運んでみてほしいなと思います。

 

さいごに

地方を旅行して印象的だったのは、人の寛大さともてなしの心を多く感じられたことです。

都市部では観光客を狙った犯罪や、店でのぼったくりがよく問題になります。

実際、私自身、ローマやベネチアなどの有名都市のお店では何度もぼったくりに遭いそうになりましたし、財布をスられた他の観光客も目にしました。

 

しかし今回旅行した地方部では全くそのようなことは無く、むしろお店の人は色々とサービスもしてくれて何度も嬉しい思いをしました。

(中には治安の悪い町もあるかもしれないので、訪れる町の情報は事前によく調べておいたほうが良いと思います)

 

イタリアを長期間旅行する時は、是非このような地方部での滞在も取り入れてみるのをおすすめしたいです。