知床、釧路湿原、トマムなど、北海道には大自然を満喫できる秘境スポットが数多くあります。
そんな中でも、最北端の離島 礼文島にある澄海岬は、特別な準備をせずとも訪問できる一方、知名度やそのユニークな景色を踏まえて、私の中でベストな秘境スポットとなっています。
訪れたのは何年も前で、しかもその頃はスマホのカメラでしか写真を撮っていませんでした。
なので写真の画質はあまり良くないのですが、澄海岬に辿り着くまでの道のりやその魅力をできる限りお伝えます。
宗谷本線で稚内まで行き、さらにフェリーで礼文島へ
礼文島には礼文空港があるものの、長い間定期便は運行されていません。
北海道最北端の地・稚内からフェリーに乗る必要があります。ちなみに、運行しているハートランドフェリーは隣の利尻島にも行っているので、礼文島と利尻島はセットで観光すると良いと思います。
稚内へは、羽田空港や新千歳空港と稚内空港を結ぶ直行便があり、主要都市からも比較的行きやすいです。
陸路の公共交通機関の場合、高速バスや特急列車「宗谷」を使うと札幌から5-6時間で行けます。
北海道の大きさを実感できるので、時間に余裕があれば陸路をおすすめします。
私が訪問した当時は「周遊きっぷ」があったので、それを利用して特急宗谷を利用しました。豊富を越えたあたりから明らかに植生が変化していくのがわかり、車窓の変化が楽しかったのを覚えています。
そして稚内港からハートアイランドフェリーを使いました。カーフェリーなので、クルマやバイクと一緒に乗ることもできます。
稚内フェリーターミナルから1時間40分(利尻島に経由すると+1時間)で礼文島香深港に到着しました。
香深港から澄海岬までは23km。路線バスは澄海岬から約3km離れた浜中というバス停にしか停まらない(訪問当時の状況)。
なので、他の交通手段を用意する必要があります。
澄海岬までは道路が整備されていますし、サイクリングを楽しみたかったので、私は香深港で自転車をレンタルしました。
なだらかな礼文島を楽しむ
火山島の利尻島とは異なり、礼文島は海底が隆起して生まれた島だそうです。
そのため、地形はなだらかで、丘を越えるための緩やかで長い坂はいくつかあるものの、急坂はほとんどなくて走りやすかったです。
北の土地特有の、大きな樹木がない風景がどこまでも続きます。
丘の上には、高山植物園(高山植物培養センター)がありました。
訪問したのは9月で、シーズンには少し遅かったのですが、一息つくにはよい施設でした。
変わった柱が並ぶ広場がありました。なんだろう...?
丘を下ると、船泊という北部の港町に着きます。ここを通り過ぎ、浜中で南西に方向転換してさらに丘を越えると、澄海岬のある西上泊地区に到着します。
とうとう澄海岬に到着!
澄海岬には駐車場、売店、展望台がありました。
展望台から北側を眺める。赤い「立入禁止」の先にあるのが澄海岬。
海の向こうにあるのは稲穂ノ崎で、その奥にはゴロタ岬が見えています。島の最北端のスコトン岬は、さらにその向こうに隠れています。
柵の向こうはもちろん立入禁止なのですが、よく見ると澄海岬の先端に向かって、細い道がかすかに残っています。
後述する「うすゆきの湯」にあった資料によると、昔は村の男達が漁に出ている間、女性はこの岬の先端に立って、漁の無事を祈っていたそうです。
「澄海」という名の通り、とにかく綺麗な海でした。
ちなみにここは中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」のPVに使われたそうです。PVを見てみるとすぐに分かるはずです。
帰路につく前に、エネルギー補給をと思い、近くの観光売店で揚げじゃがいもを買ってみました。これがとても美味しかったのを非常によく覚えています。
礼文島温泉で汗を流す
澄海岬以外にも、最北端のスコトン岬も観光スポットとなっています。しかし僕は時間と体力が尽きそうだったので、泣く泣く断念しました。
他の岬も巡りたい場合は、クルマかバイクはあったほうが良さそうです。
また、香深港には「礼文島温泉 うすゆきの湯」という温泉施設があり、サイクリング後の汗を流すのに最高のスポットでした。
この温泉施設には礼文島の歴史資料などの資料コーナーがあり、資料好きの自分としてはたまらなかったです!笑
礼文島は厳しい自然のイメージが強かったのですが、実際に訪れてみるととても穏やかな所で、素敵な体験をさせてくれました。
今回訪れたのは9月でしたが、初夏の頃にはさらに高山植物の花々も楽しめるはずです。
道北を旅行するならば是非おすすめしたいです。