最近「パプリカ」が頭から離れません。
オリンピックが近づいてきてNHKで頻繁に流れているのもありますし、街中で子どもたちがよく口ずさんでいるのを耳にするのも一因かと思います。笑
転調があったりして楽曲としては複雑な方だと思いますが、それを感じさせずに誰もが受け入れやすい歌になっているのは、本当にすごいと思います。
なぜ「パプリカ」がこんなにも人々に受け入れられるのか、気になって色々調べてみました。
インターネットで見つけたこちらの記事では、旋律やコードなど、主に音楽的な観点から説明されていました。私は音楽には詳しくないのですが、なるほどと納得できました。
特に、サビの入りで弾けるような明るさを感じられるという点には大きく共感し、曲のレベルの高さに感心しました。
一方で、サビだけでなく、曲全体を通じてもっと秘密があるのではないか、と気になりました。
そしてある時、歌詞を眺めていたら、「この歌、ア段で始まる言葉がかなり多いのでは?」ということに気付きました。
つまり、あかさたなはまやらわ…のように、母音にあ(a)が含まれる頻度がかなり高そうです。
『ア段』(あ行)で始まる単語が多い?実際に数えてみた
歌詞を書き出して、文節ごとに区切り、各文節の最初の一文字の段(ア段、イ段…)を調べて、数え上げてみました。(疲れた...)
数え上げた結果、「パプリカ」はおよそ100文節に区切られ、頭文字の母音が次のような分布を持つことが分かりました。
- ア段:57%
- イ段:10%
- ウ段:12%
- エ段:6%
- オ段:15%
確かに、ア段が半分以上の割合で最初に出現していることが分かります。
サビの「パプリカ」はもちろんのこと、Aメロ、Bメロ、Cメロ全般的に母音が「あ」で始まる歌詞の多さが特徴的。
ちなみに、各文節の最後の一文字ではどのように分布しているのか調べてみたところ、
- ア段:32%
- イ段:23%
- ウ段:8%
- エ段:17%
- オ段:20%
となりました。ア段はやはり多めですが、最初の一文字ほど特徴的ではありませんでした。
過去のNHKオリンピック歴代テーマソングと比較してみた
他の歌ではどうなんだろう?という疑問が湧いたので、
過去の夏のオリンピックでの、NHKのテーマソングも同じように調べて比較しました。
どの歌も、それぞれの時代で大流行した名曲ばかりです。
「風が吹いている」(2012年ロンドン五輪)
約200の文節に分けられ、その頭文字の母音は次のような分布となりました。
- ア段:30%
- イ段:21%
- ウ段:16%
- エ段:5%
- オ段:28%
ア段は比較的高いですが、オ段と同じくらいで、約30%という割合です。
「この」という指示語が比較的多く、「お」の母音が多い一因となっていました。
「GIFT」(2008年北京五輪)
約150の文節に分けられ、このような分布となりました。
- ア段:32%
- イ段:40%
- ウ段:12%
- エ段:2%
- オ段:14%
イ段が一番多いという結果でした。
特に特定の単語が多く使われるということでは無かったのですが、「君」など、母音がいで始まる歌詞が全体的に目立ちました。
「栄光の架橋」(2004年アテネ五輪)
どんどん懐かしさがこみ上げてきますね!
この歌が流行したのが15年以上前だというのだから衝撃です。
約100の文節に分けられ、
- ア段:43%
- イ段:24%
- ウ段:11%
- エ段:5%
- オ段:16%
という結果となりました。
この歌も「パプリカ」と同じくア段で始まる歌詞が一番多いのですが、
割合は50%未満であり、「パプリカ」ほど明確ではありませんでした。
以上の比較から、「パプリカ」で57%の歌詞の母音が『ア』であるのは、かなり特徴的であることが言えると思います。
尚、2016年のリオデジャネイロ五輪のNHKテーマソング「Hero」もあるのですが、英語の歌詞が入ってくるため、今回の比較には加えませんでした。
ア段と歌いやすさの関係
歌の歌いやすさと母音はかなり関係しているそうです。
ネット上で見つかった作詞講座では、『あ』など口が広がる母音にすると歌いやすく響きが良くなると説明されていました。
実際、口を縦に大きく開けて、発音しやすい単語から歌い始めることで、自然と声が出しやすいと思います。
なので、子供含めて誰もが自然に歌うことができるのではないか、と考察していますう。
関係無いかもしれませんが、「ドラえもんのうた」の歌い出しを「あんなこといいな」と誤解していることが多い。(私も調べるまで勘違いしていました)
正しくは「こんなこといいな」なのですが、この誤解が広まっているのも、歌いやすさと関係しているのでしょうか...?
あくまで個人的な考察であることに注意してほしいですが、
「パプリカ」のすごさの一面を知ることができたのではないかと思います。
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