ガチガチの理系でも楽しめる超ガチSF 4作品を紹介【ネタバレ無】

皆さんはSFはお好きでしょうか。

研究者界隈の中で見ますと、SF作品が好きという人は、意外に少ないなというのが私の印象です。

研究室で恋愛小説やラノベを読む人はよく目にしますが、SF系の本を読んでいる人はあまりいないです。笑

話を聴くと、科学的な誤りやツッコミポイントを見つけると、それだけでがっかりしてしまったり萎えてしまったり、という経験を持っている人が多いようです。

 

確かに、日々自然の摂理を相手に格闘している私達からしたら、科学的な正しさを二の次にした作品が性に合わない当然だと思います。

しかし、世の中には研究者が読んでも文句を言わせない、ガチなSF作品がいくつもあります!本記事では私が知っているガチSFを紹介します

(ネタバレ抜きなのでご安心ください)

また、SFを読むとビジョンやインスピレーションが得られる、とも言われます。

リーダーシップを発揮している人の多くは、それぞれにお気に入りのSF作品がある、という話も目にしました。

www.hayakawabooks.com

研究生活の息抜きとしても、SF作品に触れるのはとても良さそうですね。

 

第六大陸

宇宙開発系のSF作品です。表紙がとにかくかっこいいと思います。

私企業が本気で月面基地を建設する、というストーリーです。

 

今でこそSpaceXやブルーオリジンが有名になり、企業が宇宙開発を行うのは当然になりつつあります。

しかし本作品が刊行されたのは2003年。企業がほとんど参入していない時代でした。

それにもかかわらず、私企業が宇宙開発を実行するために必要なステップが、本作品ではとてもリアルに織り込まれています。

資金繰り、人や技術の調達、トラブル対処、そして法規制への対応といった、社会人だったら読むだけで肝を冷やしそうな、リアルなトピックが盛り沢山です。

もちろん、ロケットや宇宙船の技術的な内容についても、事細かく、かつ分かりやすく説明されており、非常に読み応えがありました。

 

ファミリーランド

この本は、一般的なSF作品とはちょっと雰囲気が異なります。ホラー小説大賞の受賞歴を持つ作者による、”ホラーSF”です。

内容は、デザイナーベビー、AI、スマート家電の各技術が発展した近未来を舞台にした短編集。
最近書かれた小説(2019年刊行)なので、最先端のテクノロジーを完璧にフォローしていると感じました。
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「ホモ・デウス」の中で語られる近未来技術が次々と登場し、「この2冊は裏で繋がっているのか!?」と疑ってしまう程でした。
遺伝子工学、AI、IoTの発展に伴って起こりそうな倫理的問題を、日本の一家庭を舞台として、極めてリアルな物語として提示しています。
 
未来技術に行動様式も価値観も翻弄されていく主人公達に対して、思わず共感してしまう場面もありました。
科学技術が私達の価値観や家族観を既に大きく変えつつあることに、ハッとさせられました。

 

インターステラー

宇宙飛行士の主人公とその家族を描いた映画です。

かなり有名な作品だと思うので、多く説明する必要は無いですね。笑

ストーリーや内容の見応えが言うまでも無いですし、特に映像がとても綺麗なので、何も考えなくても楽しめます。

 

さらに、ネット上の様々な解説サイトでは、宇宙工学や理論物理の観点から、細かい説明がされています。

「あの表現はそういう技術背景があったのか」と納得できますし、その上で再鑑賞すると二回楽しむことができます。

(ブルーレイディスクが1,000円前後と、とても安くなっています。千円でこの映像美と内容を楽しめるのは、かなりお得に感じます)

 

三体

2006年に中国で刊行され、日本語版は2019年に発売されました。2021年に続編の3作目が発売されています。

バラク・オバマ氏が愛読しているという点も特筆すべきですね。

国内では知っている人はまだまだ少ないようですが、確実に有名になりつつある作品だと感じています。

読んだ時に「これは流行る」と確信しました!笑

 

内容ですが、この作品は特に事前知識をゼロにして読んだほうが楽しめると思います。

何も知らない主人公が少しずつとんでもない世界に巻き込まれていく、という内容なので、読者も同じ状態で読み始めたほうがシンクロできるはずです。

RPGのように次々と話が展開し、どんどんスケールが大きくなっていきます。

まさに「自分の記憶を消してもう一度読みたい」と思わせる作品でした。

 

また、これまでのSF小説では滅多に見られない内容や表現に触れることができます。

物語のプロローグは、文化大革命の時代から始まります。

詩的な表現も面白かったです。特に私の印象に残ったのは、『中国では、超越的な理想も地に落ちてしまう。現実という重力場が強すぎるんだ』(第一章 一部省略)という一文です。

このような、理系用語を織り交ぜた印象的な文章は初めての感覚でした。素晴らしいの一言です。

 

現在Netflixでドラマ化企画が進んでいるそうです。とても楽しみです!

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