四季島旅行記 はじめに
昔の話になりますが、運良く「トランスイート四季島」の1泊2日コース「深遊探訪」に当選することができました。
北斗星やトワイライトエクスプレスで寝台列車の旅を何度か楽しんできた経験はあるものの、
今回のクルーズトレインの旅は、ブルートレインとはまた違う、別次元の旅になりました。
上野駅での特別な体験
朝8時頃、発車1時間程前に、上野駅13番線近くにある、「プロローグ四季島」というラウンジに入り、荷物を預けたり軽い朝食をいただいたりしました。
ちなみに、プロローグ四季島には直接向かうのではなく、中央改札の隅にいる専用スタッフに声をかけて入り口に案内してもらうという、ちょっと粋な流れです。
おしぼりやコーヒーカップにも全て四季島マークが入っています。旅へのワクワク度が高まってきます。
四季島の入線時刻になると、一旦ホームに出て記念撮影の時間が始まります。(撮影のみで乗車はしません)
普段から見慣れた「列車がまいります」の文字ですが、今回だけは特別!
入線後の表示はこのようになります。
実物を間近で見ると、本当に優雅な列車だという印象を受けます。
ホーム上では、預けられたスーツケースなどが、それぞれの客室に運び込まれるのを待っています。
ちなみに列車だけでなく、駅長さん(!)と写真撮影を機会もありました。
プロローグ四季島に戻り、準備が完了するのをしばらく待った後、いよいよ一組ずつ呼ばれて順番に乗車していきます。
いよいよ乗車
13.5番線
噂の13.5番線。右に止まっているのは651系。
乗車時に、右側にある14番線と13.5番線の空間を隔てるために、時間に合わせてわざわざ回送列車を留置しているという話をネットで目にしたのですが、本当でしょうか。
客室(スイート)の様子
中央の車両から乗車しました。
車内はほのかな良い香り(後で聞いたところによると、四季島のために新規開発された香りだそうだ)が漂っています。
案内されて客室(スイート)に入ります。部屋のデザインも素晴らしいですよね。
ベッドはもちろん、大窓の大きさに驚きました。
ちなみに写真の大窓はシェードを下ろした状態。走行中、部屋の中のプライバシーを守りながら外の風景を楽しめます、
照明も実に落ち着いた雰囲気。
ピカピカのシャワールーム。クルーの方によると、シャワーのお湯に制限はないので、好きに使ってくださいね、とのことでした。
ウェルカムドリンクとしてシャンパンを頂戴しました。
ここが朝の上野駅だということを、すっかり忘れてしまいます。
発車&車内探検
旗を振られながら静かに発車しました。列車はまず、上野から中央本線に入るために、ちょっと複雑なルートを使います。
上野→(宇都宮線)→大宮(方向転換)→(東北貨物線)→西浦和→(武蔵野線)→国立→(中央本線)→・・・
大宮から「むさしの号」と同じルートになるということですね。
かなり時間のかかるルートになりますが、このペースで行くと次の到着駅である塩山にお昼前に到着するため、
昼食のタイミングとしては丁度良くなるのです。
一般的な観光列車では、途中駅で長時間停車して時間調整したり特急列車に追い抜かれたりすることがよくありますが、
四季島ではそのような長時間列車は無く、70-90 km/hくらいのスピードでマイペースにスイスイと走り続けています。
クルーの方が教えてくれた話によると、四季島は列車の「階級」が2番目に高く(1番目はお召し列車(!))、特急列車に追い抜かれるようなダイヤは組まないのだそう。
中央本線は高速の特急「あずさ」「かいじ」が高頻度で走行していますが、それらと干渉しない絶妙なダイヤが組まれているそうです。
普段とは違う都会の景色を眺めながら、あちこち車内を探索することにしました。
客室の廊下。小さい窓の配列が可愛いです。
展望車(兼 動力車)
両端にある展望者は動力車を兼ねており、非電化区間で活躍する機械室を見ることもできます。
展望車両の廊下。この車両だけ真っ赤!
展望車両はフェラーリのデザイナーが手掛けたらしいですが、これもそのデザインなのでしょうか。
派手でかっこいいです。
機械室内部。頼もしい機器類が所狭しと並んでいます。
写真中央左に映っている階段を登り、展望室の中に入ります。通路とは対照的に、白を基調とした優雅な空間です。
展望室から運転台はほぼ筒抜けに見えます。
前方だけでなく、上部や側面にも大きな窓があり、景色の眺めが素晴らしいです。
ラウンジカー&ダイニングカー
ラウンジカーとダイニングカーの名前は、それぞれ LOUNGEこもれび と DININGしきしま。
樹木にような柱が特徴的なLOUNGEこもれび。まさに木漏れ日をイメージしているようです。
それにしても窓の形がどの車両もユニークで面白いです。
スタッフが常駐しており、いつでも飲み物や軽食を注文できます。
キーマカレーや喜多方ラーメンもあり、しかもハイクオリティで美味しかったです。なんという幸せな空間…。
アルコール類も豊富。写真は四季島オリジナルカクテル(!)で、上品な甘さが印象的でした。
けっこう強めで、昼食前なのにいい気分で酔っ払ってしまいました。
DININGしきしまのテーブル。ペアで景色を眺めながら食事を楽しむのに適した配置となっているようです。
ちなみに、ラウンジカーでの注文は全て料金に含まれています。
四季島ツアーの値段は一般的なツアーより数倍高いと言われますが、
ラウンジカーやダイニングカーを含めた全ての食事、アクティビティにかかる料金を全て含んでいます。
他にかかったのはお土産代くらいです。それを加味すると、この旅は決して割高ではないな、と感じたことを強調したいです。
塩山駅に到着
車内を探索したり、中央本線の景色を楽しんだりし、塩山駅に到着しました。
初日の午前中だけで、満喫度が既にMAXとなってしまった感覚ですが、想像以上に贅沢なこの旅はまだまだ続きます。
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